このページは、「僕の珈琲」「パンを焼くって」「美馬牛で暮らして」などなど、僕のひとりごとをのんびり書いていこうと思っています。
皆さんは、珈琲好きですか? 僕が珈琲を飲むようになったのは中学生の頃。行きつけの喫茶店で珈琲を注文、サイフォンで淹れられたその珈琲をブラックで飲む。今思えば、精一杯の背伸びですね。とにかく「珈琲」という響きには得もいえぬ「大人」を感じておりました。実際に珈琲を焙煎する立場の今も、それはあまり変わっていないなと思います。パチパチと煎りあがる豆をみて、その「つや」「はり」にうっとりしています。こんな僕ですが、これからもお付き合いください。


  2009.2.1
Text: YUKO


●追憶


その場所を通った時、あれ?と思った。何かが違うと。その「はてな」は当たっていて、あるべき場所からあるものがなくなってしまった喪失感からだと気づいた。美瑛で初めて2人で住んだ家。ねずみとか凍り付いた水道管とかいろんなものとの闘いだった家。

あたり前だと思っていたそれまでの常識が次々と塗り替えられる。ゼロというよりマイナスの出発。住み始めた時も、後にした時も。

深まった秋のひんやりとした空気。果てしなく長い取り付け道路の除雪。何度も思い出す事だろう。これからも。



  2009.1.1
Text: YUKO


●謹賀新年


一人旅をしていた。青春18きっぷで遠くまで。時刻表をめくって、計画すら楽しんでいた学生時代。社会人になり休みは少なくなる。だんだんと行き先が定まってくる。「より広く」から「より深く」というか濃く、同じ場所に出かけることに。同じといっても、今度は季節を変えて足を運ぶ。春は? 冬は? そのうち、四季が見たくなる。住んでしまえばいいのか!と住み込みで住人になってしまった。20年近く前の話しである。

美しい景色が目に入らない時期もあった。反対に、広がる風景に救われたこともある。そしてまた美瑛で新年を迎える。

2009年がみなさまにとっても良い年になりますよう、お隣の水天宮にお願いしておきます。



  2008.12.1
Text: YUKO


●11月


先日、本州に暮らす友人がふらっとやって来た。1泊2日レンタカーなしの旅である。空模様は怪しく、ぱらぱらと時折降る雨は、必ずや雪に変わるであろう確信が持てるような冷たさであった。

「晩秋じゃなくて、こりゃ冬だったね」

落葉松の紅葉がそれはみごとだからと言っていたワタシの話しは、来年以降の楽しみにしてもらうことにしよう。店に置いてあった美瑛の地図を持って、散歩に行った彼女曰く「良かったよ、誰にも会わなくって」寂しげな景色の中を、嬉しそうに歩いていく顔が目に浮かぶ。

11月の美瑛は旅行者には注意が必要だ。にぎわいは文化の日まで。それ以降は、シーズンオフのスイッチが押され、店や施設が休みになったり、時間が短縮されたり。

夕食を一緒にとりながら、昔話しに花が咲いた。

ワタシが夜に帰宅途中、後ろから誰かが付いてきた。怖くなって走り出すと、その人影も走り出した。やっとの思いで玄関にたどり着いたがなんとその人影も家まで入ってくるではないか。恐怖におののくワタシ。しかし、その人影はワタシの父であった。彼にとって、駅から自宅までの単なる競争だったとは。

「お父さんてさ、面白い話しいっぱいあったよね」

すっかり忘れていた出来事を思い出して、おなかを抱えて何度笑いころげたことか。夜も更け、再会を楽しみに手を振って帰路に着いた。

戻れない時間を過ごしていることは、今もかわりはないのだ、とそんなことを思った。


  2008.11.1
Text: YUKO


●初心に戻るの巻


学生の時に聞いた先生のことば。「『絶対』ということはたったひとつ、人は死ぬ、ということにのみあてはまる」なぜなら、他には『絶対』がないからだという。

当時からほぼ勘違いに等しく前向きなワタシ。「『絶対』以外は自分で何とかなるんだ!!」

日々の生活に流されそうな、今この時。健康や人の出会いのありがたさ、家族の優しさ、いろんなことに改めて感謝しつつ、自分ができることをやっていこう、と思った冬の入り口の日。



  2008.10.1
Text: YUKO


●くまとぼくたち


YUSUKEのたまに(失礼!)いつものジョギングコースに熊が目撃された とのこと。 その先週のお休みに紅葉ハイキングに行った先で、 熊レクチャーを受けたばかりだったので、 遭遇した時の対策が、より身近なものになってしまった。

くまに逢わないためには、鈴でも声でも何らかの音を出しておくこと。 人間のいることが音でわかれば、出てこないので。

遭ってしまったら、絶対に背中を向けて逃げ出したりしないこと。 木の上も無駄。逃げれば必ず追いかけてくるので。 何か、手袋など食べ物以外のものを置いたりして、気をそらし、 ゆっくりと後ずさりしてその場から立ち去ること。

執着心が強いので、一度くまの前に置いたものを、再び取りに戻ったり しないこと。 自分のものだと思い、取り返そうと追ってくるので。

死んだふりは効果がないとのこと。

ワタシがその昔、旅行中に聞いた話し。 「テイッシュをちぎって撒いたら雪かと思って、冬眠するから・・・」 何度かネタにいただきました。

子供の頃観た映画「グリズリー」が長い事怖かったけれど、 よりリアルに大きなツメの怖さを感じた秋の始まりでした。



  2008.9.1
Text: YUKO


●是非


ことばもいろいろ流行りがあるが、「ありえない」と話し言葉で使われだしたのはもう何年くらい前だろうか。

自分のスタンダードから大きく軌道を外れてもなお、そこにある事柄、といったところか。

ワタシが最近体験したのは、お祭りの出店でのこと。フレンチドックを購入したところ、後付けの味付けが3種類えらべるという。
1.ケチャップ 2.ケチャップとマスタード、そして 3.グラニュー糖。

ワタシの中で選択肢の3は、選ぶという行為以前に選択肢に採用されている事自体が衝撃的な事実!

しかし、揚げドーナツにグラニュー糖をまぶすことは「あり得る」ので、ワタシが狭かったなあ、と。「ありえない」と言ってしまうことは、自分の経験と想像の少なさを表現する言葉かも、とワタシの中で微妙な変化を遂げた。

旅行の機会があれば、市場とスーパーとお祭りに行ってみたいと思いを強くしたのであった。



  2008.8.1
Text: YUKO


●考えるということにむかない
 季節のなかで


夏に入ってなお、月日のたつのが「速く」7月の原稿を考えていたはずなのに、8月分になってしまった。と、これは言い訳。スミマセン。

この間、引っかかったキーワードは数知れない。「アウトプットのためのインプットを」「写真は現像してアルバムをつくり手元に置かないならば、捨ててもいい思い出」「人生でいちばん充実していたのは75〜85歳の10年。安定なんてない、あるのは前進か後退」「燃え立つ心に届くのは、燃え立つ心を持った人から」
などなど。

なるほど、と思えることに出会っているが、そのいくつを実行に移したかときかれれば、正しくゼロである。

そんな中、いちばん身近に感じた言葉がある。「いろんな人と話しをして、いろんな人生があるんだなあと思った」今年の夏のスタッフの話しである。決して理屈っぽくなく、難解でもないけれど、本当に深く深く感じたのだろうなあ、と。自分と他人の差は、うらやまし差なんかじゃなく、自分の方向性を修正したり、再考したりするために、それぞれの個性が、お互いのためにあるんだろうなあ、と。

短い夏。締め切りは自分で作って、たくさんしごとをしてたくさん遊びましょう。



  2008.6.1
Text: YUKO


●提案


祖母が祖父にいつも怒っていたのは「ごはんだよって声をかけるタイミングで、いつもどこかへ行ってしまう」ことだった。

ふらふらと遊んでいたわけではなく、働き者の祖父はじっとなんかしていなかったのだ。

祖母は料理が好きだった。凝ったものではないけれど、手間を惜しまない、季節のおかずが食卓に並んだ。

祖母はせっかく用意したものが冷めてしまう様子を「いきがさがる」と表現した。
温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいままに美味しく食べて欲しい、と作り手なら誰でも想うことだろう。

祖父も決して悪気があった訳ではなく、しごとを発見してしまって、今やらねばと思ったからに違いない。

ワタシは今、食べていただく作り手の側。お持ちした珈琲や料理が、「モデル」になるのは嬉しいのですが、撮影は「すばやく」の方がお互いよろしいかと。



  2008.4.28
Text: YUKO


●まいふぇいばれっとすぃんぐ


かつて小学生だったワタシがココロ躍らせたのは、晴れた土曜日の帰り道。午前中だけの授業、次の日はお休み。何して遊ぶ?と約束するために登校したような。

大人になって、カレンダー通りの休日ではない仕事に就き、「土曜日」はむしろ忙しさを感じる曜日と化してしまっていた。

現在休みは「火曜日」世の中の大多数がブルーな週明けである「月曜日」が今やワタシの極めてハッピーな曜日となったのだ。みなみなさま、お疲れさまで〜す、とはいえ、優越感はあまり感じない。なぜなら、土日に来店されるお客様の、実にしあわせそうな笑顔を知っているから。お休みを楽しんでいる様子がこちらにも伝わって、久し振りにあの「土曜日のわくわく感」を思い出させてくれる。いいなあ、とつい口にしたのは、うらやましさというよりは、嬉しさから。

いつもは6月末くらいからオープンするテラス席も、今年の天候だと早まるかもしれない。雨の降り出しそうなお天気には「どうする??」と安心できない材料となるけれど、あの気持ちよさはなにものにも変えがたい。

笑顔の種をちょっとは蒔けてるかなあ、と思う今日この頃。



  2008.4.1
Text: YUKO


●はじまりの季節


思いがけなく早めに春が訪れてくれた今年。Goshもおかげさまで6周年を迎えることができました。みなさま、ほんとうにありがとうございます。そして、これからもどうぞよろしくお願い致します。

オオイヌノフグリ、しろつめくさ、福寿草、ツバメ、桜見物のぬるい夜・・おっとこれは子供の頃版。

スニーカーを買う。髪を切る。帰り道、自分の影と散歩。きれいな色の服を選ぶ。
何か始めようかと本屋をのぞく。・・・お年頃ですか。

そして。はだかの木々にほんのり赤いたくさんのつぼみ達。白い畑に黒い融雪剤の模様。とけてみえた茶色の土。うっすらと見える緑は秋蒔き小麦。日々色づいてくる北国の春。

それぞれの場所でそれぞれの春が。

Goshも7年目。今年もたくさんの出会いと発見がありますように。



  2008.2.29
Text: YUKO


●3月


ガソリンなど燃料の高騰に、食品の高騰。今年の世相をあらわす漢字は「高」だと今から思う。オマケに寒い冬ときた。1月末の冷え込みも話題になったが、つい先日の暴風雪も、「すごかった天気ベストテン」入り確実モノであった。本州に住んでいた時は、山から吹き降ろす風に寒い思いをしたものだ。風の寒さを再確認した今回。

道路の圧雪も、日中の日差しで溶け始め、もう春かぁ、と思っていた矢先。ちょっと裏切られた気持ちと、やっぱりそうだよね、という気持ちが入り混じる。

そして、3月。Goshにとって、節目の月。7年目も張り切ってまいります。



  2008.1.30
Text: YUKO


●さよなら炊飯器


だからって「パンだけ食べる宣言」ではありません。素直にそのままとっていただけば。

美瑛に暮らしてほぼ10年間使っていたのは、友達から譲り受けた五合炊きの電気炊飯器。丸いフォルムが昭和です。壊れたわけではないのです。高級炊飯器に心が揺らぎ、購入を検討。しかし、その優れた部分というのは「釜」や「土鍋」で炊いたようなご飯が炊けること?だったら鍋でいいじゃん、と単純な考えから、あっさり実行。

2年前、夏のスタッフに「美味しいし、慣れればむしろ楽」と聞いてはいたけれど、手間と時間がかかりそうで「ワタシには無理!」と頭ごなしに決め付けていた。

専用の土鍋を購入、したわけでもなく、鍋は内祝でいただいた高級ステンレスのもの。タイマーさえあれば、つきっきりの必要もない。水加減と火にかける時間は、分量で微妙に変えて実験。結果を食べて、なんとなくつかんでいく。ほぼ毎日のことなので、あたりまえの作業に。

こうして、さようならになりました。いままでありがとう。



  2008.1.1
Text: YUKO


●ラジオから


かなり涙もろいワタシ。年を重ねる毎に、ひどく?なっている気がしている。映画の予告や、TVから流れる映像のたった数秒で泣けてしまう。そして、次の瞬間には、別のことで爆笑したりしている。熱しやすく、冷めやすいだけなのか。そうともいえるが、豊かすぎる想像力のせい?だと自分では思っている。

そのせいか、TVよりはラジオを聴く事が多い。これも、芋づる式にたどれば、父の影響のように思う。

ワタシが幼い頃、父が部屋にいるときは必ずラジオを聞いていた。たまにステレオでレコードをかけていたり、TVもあったし、見てもいたが。起床と就寝の時には、父とラジオの音がそばにあった。

先日、久し振りに実家を訪れたワタシは、部屋に入って驚いた。ニュースとクラシックが流れている。2台のそれぞれのラジオから。「こっちはBGM」片方のラジオを指してケロッと父が言う。

後日、ラジオのニュースを聞きながら、CDで音楽をかけている自分に気が付き「こ、これは・・」DNAなのか、環境のなせるワザなのかと考え込んだ瞬間であった。

想像力をもっと豊かにするべく、2008年もたくさんいろんなことをしていこう!と思った元旦。良い年になりますように。



  2007.12.1
Text: YUKO


●ココロから


5周年を迎えた2007年ももうすぐ終りを告げようとしている。今年はどんな年でしたか?

Goshでのニュースといえば、「7月、ANA機内誌「翼の王国」に門上 武司氏の執筆で記事掲載される」私達には大事件!嬉しすぎる出来事でした。この他にも、いろいろな雑誌に取り上げていただきました。ありがとうございました。

そして、お店を訪れてくださったお客様・ネットから豆やパンのご注文いただいたお客様・山桜桃を気遣ってくださるお客様、ありがとうございます!みなさまの声や姿にどれだけ励まされたことでしょう。また、Goshの空間を一緒につくり、支えてくれたスタッフのみなさん、ほんとうにお世話になりました。一緒にしごとができて、とても勉強になりました。
    
たくさんのみなさんに、たくさんの感謝の気持ちです。ありがとうございます。
    
2008年も美味しい珈琲とパンをつくります。これからもどうぞよろしくお願い致します。



  2007.11.1
Text: YUKO


●秋の分


現在、何度目かの土木作業中。2年目につくったテラスを解体・補強する作業と、駐車場の整備に取り組んでいる。

近所で2軒ほど新築工事中なので、隣にパワーショベルが置いてあっても、テラスの板が外れていても、何となく、工事中だもんね〜、という雰囲気が漂っている。

夏に手がまわらないあちこちの整備。雪が降る前に・・・とYUSUKEの忙しさは四季折々である。



  2007.10.1
Text: YUKO


●変化


いつもなら、隣の水天宮のどんぐりが目立ってくる季節。しかし、今年は建て替えに伴い、テラス側のミズナラが伐採された。秋の楽しみが減ったかわりに、テラスの風通しが良くなり、美馬牛小学校のとんがりぼうしも見えるようになった。Goshの建っている分譲地も、あれよあれよと売れていき、店を訪れてくださるお
客様も驚きの変わり様である。住宅地ってほんとだったんだ、と今でなら信じてもらえることだろう。

先日、10年前くらいに美瑛を訪れて以来、というお客様と駅前には銭湯があって、神社もあって、とやや昔話に花が咲いた。

時が経って、自分の年齢にも驚いてしまうけれど、変わっていくもんだなあ、とつくづく感じる今日この頃である。



  2007.7.1
Text: YUKO


●再発見


お天気の休日。何年かぶりで天人峡を訪れた。忠別ダムの向こう側の道を通る。初めてで嬉しい。いろんな緑がまぶしい。顔がニタニタとゆるむ。

町営の駐車場に車をとめ、しばしのハイキング。川沿いの道、土の上を歩くっていいな。お目当ての「羽衣の滝」の説明文を読む。落差270mかあ。愕然とするワタシ。高さではなく、場所に。こ、こちらでしたか・・。

ホンモノの滝はすばらしいかった。自分でも驚くほどの感動。ちょっと登る展望台からは、さらに迫力ある姿に出会える。横尾忠則の滝に天使が飛んでいるのはこういうことだったのか、とすら思えた。

思い込んでいたことから解き放たれて新しい発見をする。なんていい休日だろう。そして翌週。YUSUKEは眺めていた天人峡の川へ釣りに、ワタシは庭のスギナ退治?をしましたとさ。



  2007.6.1
Text: YUKO


●よろこび


「親知らず」の抜歯を体験し、「噛む」ことの重要性に気づくワタシ、のことを
書こうと思っていた。

しかし、季節が悪かった。いえ、抜歯にではなく(むしろ向いているらしい)春ゆえに。北国に春が来たのですから。

GWには、隣の雪山も消失。沖縄の梅雨入りを聞いた日に、反対隣の水天宮の桜が開花。沿道を飾るたんぽぽ。庭のチューリップやれんぎょう。山の緑は初々しく、生命力にあふれる輝き。

春の日差しは眠くなるどころか、新しいことに挑戦しよう!と細胞に働きかけてくるよう。

さあ窓を開けて、掃除でもしようか。



  2007.3.1
Text: YUKO


●Goshも5歳


GoshがOPENして、5年の月日が過ぎた。これもみなさまのおかげと、感謝の気持ちでいっぱいです。ほんとうにありがとうございます。

さて、店の年齢は人間でいうとどのくらいだろう。ふと考える。Goshの場合は1年で1歳かな、と思う。よちよちではないにせよ、まだまだお子様。

尊敬する先輩方のように、何十年経っても、色あせない味や店でありたいと強く想う6年目。

いよいよ年長さん?



  2007.2.1
Text: YUSUKE


●昔々


1月の連休を利用して久しぶりに大阪に帰った。すっかり変わってしまった街をブラブラと散歩をしてみる。

大きな神社のあたりは、さすがに昔のままで「ホッ」とする。中学生の頃、通いつめた喫茶店がこの近くにあるはず! いつも同じ銘柄の珈琲をブラックで飲んだあの頃今思えば顔があからむような背伸び。

そして、そのお店はあった。20年前と同じ場所と名前で。扉を開き奥のカウンターに向かう僕に「いらっしゃいませ」と顔を合わせた瞬間に「覚えてるよ〜」と歓喜の声をあげて下さったママさん。

うれしかった。こんなにうれしい事もそうないように思った。

仲間と毎日のように通ったこの店。 壁の棚に懐かしい品物を発見。 ママさんの誕生日にみんなで プレゼントした「貯金箱」 今でも飾っていてくれたとは!
  
昔話をした後、昔と同じ珈琲を注文した。



  2007.2.1
Text: YUKO


●限定販売中?


厨房側の窓から見える景色。今ならこの冬出現した「雪山」がご覧頂ける。こちらは駐車場部分の雪を、後方に押してもらった産物。これを見る限り、はたして雪の少ない冬だろうか、とギモンが頭をよぎるだろう。

近頃は日も長くなった。4時を過ぎても明るいのが嬉しい。ちょっとだけ「春」を予感させてくれるから。

この雪山、夕方になると近所の子ども達が集まってくる。ソリで滑るには急すぎるので、登頂して、上から「落とし合い」をして遊んでいる様子。子どもの頃は、キケンやスリルが楽しかったかも。

「体験」のため、ゆすらとアタック。ピークにたつと店部分の屋根を越える高さ。
見渡せば、おだやかに波打つような白い大地が広がる。動きがあるのは237号線の車の流れ。大雪の山並みもさえぎるものなく堂々としてみえる。

冬季限定の眺望。

今ならこちらの展望とおしりすべり用肥料袋のセットで・・。

・・子どものココロを忘れた大人が考えそう。



  2006.12.27
Text: YUSURA


●看板犬からのお知らせ


みなさんこんにちわ、山桜桃(ゆすら)です。まだ、お会いしていない方もいらっしゃいますね。私事ですが、冬の間、SAKAI家の中に暮らすことになりました。記憶にはありませんが、生後半年ほど家の中で育ったやに聞いております。その後9年になりますが、ずっと外で過ごしておりました。あれはつい先日のこと。何を思ったか、突然家の中に連れていかれたのです。シャンプーなどかけられ、非常にこそばゆい思いをいたしました。階段の昇り降りや、新しいルールを覚えるなど、慣れない暮らしにとまどいも感じてはおります。しかし、なにぶん元気に過ごしておりますのでご安心を。いつも声をかけてくださっていたみなさまには、寂しい思いをさせて申し訳ありません。春になったら、外にいることもあるやに聞いております。自分でいうのもなんですが、どうぞお楽しみに。もちろん、私も楽しみにしております。朝晩の散歩時にお会いすることもあるかもしれません。そのときはどうぞお気軽に声をかけてくださいませ。よろしくお願いいたします。



  2006.12.1
Text: YUKO


●おもひで


窓の外は雪。夏にはにぎわったテラスにももちろん積もり、YUSUKE作2006バージョンのとりのえさ台も設置済み。そんな訳で、もうシュト―レンの季節を迎えてしまった。今年こそは、と1月に思っていたことが、いろいろと思い出されるが、2007年の1月には、何度か目の決意をまたすることだろう。

「おうやう、人を見るに、すこし心あるきはは、みなこのあらましにてぞ一期は過ぐめる。」何百年も前から、凡人は進歩がないということか。

冬の日暮れは驚くほど早い。白かった雪が、何色もの青へと変化していく。私の好きな光景のひとつだ。

大きな声では言えないが、冬は苦手である。確か生まれは・・。そう、東北ですが。寒がりで、スキーは不得意。そんな人が、好んで北海道に住んでるなんて!  人生とは不思議に満ちている。

いろんな選択をしながら進んでいく道。「偶然にも」の場合が多いものの、振り返れば「必然」になっていたりする。

何(十)年前になるだろう。お正月明けの美瑛を旅したことがある。夕方5時過ぎに駅に降り立ったが、すでに真っ暗。その日の宿は徒歩で40分のところ。不安を感じながらも雪を踏みしめ丘へ向かう。町の明かりがどんどん遠ざかる。ふと見上げると、落葉松の林の向こうに月があった。月明かりの中を歩いているうちに、晴れ晴れとした気持ちになっていく自分を感じた。

夜の雪道を運転していたら、ふっと思い出した。



  2006.11.1
Text: YUSUKE


●僕のおすすめ珈琲本


夜の長い季節になってきましたね。皆さんはどんな本を読まれますか? 今月は僕の大好きな珈琲の本を紹介します。

中央公論新社 発行 著者 嶋中 労「 コーヒーに憑かれた男たち 」

珈琲に人生を捧げた愛すべき頑固者の生きざまがつづられています。職人の底意地にバンザイ!



  2006.11.1
Text: YUKO


●その先


日本語も満足でない上に、英語は大のニガテときている、ワタシ。 店には、もちろん外国のお客様も訪れる。ある時、道を尋ねられたが、「踏み切り」を表現する言葉が出てこない。「カーン、カーン、カーン。オーケー?」
 
そう。全て単語とゼスチャーと笑顔で乗り切ってきたのであった。しかし、そんなワタシにも転機は訪れる。先日、札幌のギャニオン御夫妻がメイプルシロップの納品に訪れて下さったときのこと。(NOKOMISのシロップ美味しいです)伝えたい思いがあるのに、表現できない自分がいた。もどかしさをイヤというほど感じてしまったのだ。

英語が話せたらなあ。いたってタンジュンなワタシは、ずうずうしくも奥様に習得法を伺った。(奥様は美しい日本の方ですので)早くから海外に出てはいたけれど、ギャニオン氏と話したり、英文を書いたりしていく中で、会話していけるようになった、と話してくださった。

ゼスチャーだけで、なんとか通じて安心していたけれどその先には行けないんだ!
ひとりコウフン気味に「ガッテン」したのであった。

「英語はなせるよ本」をいろいろ(先にごめんなさい)立ち読みしてみると、話す姿勢を語っているものが少なからずあった。奥ゆかしい日本人ではなく、何ごとにも積極的に堂々と話しましょう、など。メモメモメモ。

やっぱり、目標も持たないとなあ。やはりここは海外か。行ってみたい旅行先はと、ブラジル、イタリア、フランス・・・。通じなくもないとは思うけれど、英語圏じゃないじゃん。

とりあえず、字幕なしで洋画が楽しめるようになりたいなあ。永すぎる道のりでしょうか。答は自分の中ですな。



  2006.10.3
Text: YUKO


●美馬牛どうぶつの園


昨年の今頃だったろうか。通学路近くにクマが出没したので、児童の送迎よろしく、と連絡網でまわってきたのは。 笑い事ではないが、あまりの「らしさ」にひとり感心した覚えがある。

「シカに注意」の道路標識はよく見かけるが、先日、「リスに注意」を発見した。
テラス横、落葉松の林でも見かける。自転車で走っていて、隣をチョコチョコ伴走されたことがある。

注意すべきシカはさすがに大きい。車の運転中に衝突などしてしまったならば、こちらもキケンだ。

キタキツネは「エキノコックス」感染の恐れがあるので、見かけるが近づかないようにしている。それでも、ヨチヨチと歩く子ぎつねの姿は実にかわいい。

「ドンドン」と壁を叩く音が聞こえたら要注意。アカゲラが家部分の柱を突付いているのだ。お陰で何ヶ所も穴をあけられてしまった。

ゆすらをよくからかうのはカラスだ。ぎりぎり届かないところまでやってきては、
えさをかすめとっていく。

そんなどうぶつたちとここ美馬牛でくらしている。



  2006.9.1
Text: YUKO


●この夏


この春の長引いた雪にも驚いたが、この夏にも驚いた。実に暑かったのであった。本州の方にはお叱りを受けそうであるが。

「日差しは暑いが、湿度が低く、過ごしやすい」
これが、北海道スタンダードな夏。

ああ、それなのに、今年の湿度の高さときたら。あせもにもなるっちゅうねん。

店を訪れてくださったお客様も驚かれたことであろう。クーラーの無い店内に。燦々と太陽は降り注いではいるが、開放感ではテラス席の勝利である。

店内ではたった1台の扇風機が、唸り声をあげて活躍してくれた。朝から晩までお疲れ様! アイス珈琲も美味しいが、美馬牛の水道水が何より美味しい夏であった。



  2006.7.1
Text: YUKO


●宣伝


今年はTシャツのデザインを一新。新進気鋭のデザイナー、ではなく、「自称」のYUSUKE作を採用。ブラウンとグレーの2色つくり、スタッフ全員でユニフォームにしている。(もちろん販売もしております¥2100)

これまで着るものに関して、特にルールがあったわけではなく、お揃いの格好はまるで「お店みたい」・・・。

さあ、あなたもGoshのTシャツでこの夏、スタッフ気分?



  2006.5.26
Text: YUKO


●感謝


私が小さい頃、庭に柿の木があった。小振りな実だが、ぱりっとして甘い。しかし結実はなぜか1年毎。毎年実を、と願う祖父は「来年は切ってしまうぞ」とよく柿の木を脅していたのだった。

植物にも心が宿る、と私は思う。それは物も然り。彼らは生きているし、感情さえあると。そう強く思ったのは、先日のオーブン事件。何もGW前に壊れなくても、と恨めしい目で眺めていたが、ふと、これが建て増す前で、新しい作業場にオーブンを移動していなかったとしたら?そう、もし前の厨房で同じ事が起きていたら、もっともっと大掛かりな工事を強いられたのでは?

そうだったのか、ここまで待っててくれたのか、と気付いて深く深く感謝したのだった。

誰の本だったろう。
「すべてのものにときがある。生きるにときがあり、死ぬにときがあり、泣くにときがあり、笑うにときがあり、出会いにときがあり、別れにときがあり、、、」と続く。

コトあるごとに思い出す。今がそのときなんだと。

まあ、試されることが何かと多い人生ですが、
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?



  2006.4.28
Text: YUSUKE


●ドキュメンタリー


オープン当初から、一緒に頑張ってきたベーカリーオーブンがある朝、命を止めた。突然に! 苦楽を共にして来た物との別れに悲しみも感じるが、明日からの営業をどうしようかと茫然ともなる。手を尽くして復旧を試みるもダメージが大きすぎる。

暗礁に乗り上げた感の嫁と僕。ポツポツとオープン当初の懐かしい話になる。
何も機材がそろっていなかったあの頃、あの時の感覚! 知恵と行動力だけで不便さや困難を乗り切ってきたあの時の感覚。いさぎよくあろう。今では大切なアイテムであるパンのクオリティーを下げるわけにはいかない。

「明日からパンの販売を休止する」

そう気持ちを切り替えると不思議と力が湧いた。

パンを楽しみにしていて下さるお客様、大変申し訳ありません。新設のオーブンが設置された時にはもっともっとピカピカのパンをご用意する事を約束します。しばらくの間、時間を下さい。



  2006.4.1
Text: YUSUKE


●しあわせのあるところ


珈琲豆が、艶よく焼きあがる瞬間

湯気の上がった料理を前にしたお客様が

「ごくっ!」とした瞬間

スタッフと以心伝心できた瞬間

包装している豆やパンが

お客様の食卓にある絵として浮かんだ瞬間

冬の終わった大地に、いちばんに咲く花を見つけた瞬間

日常の何でもないひとコマに、僕は感じるのです。



  2006.4.1
Text: YUKO


●花粉症対策


YUSUKEとスタッフNちゃんが嫌がる季節の到来。外は真っ白だというのに、2人はハナをぐずぐずさせている。体質改善のため、薬局の人に勧められて「甜茶」を飲んでいる、というNちゃんのことばに、早速買いに走る。

この辺り、スギはないが、牧草とシラカバの花粉症がある。春先の2人の姿は痛々しい。

買ってきたお茶の箱には、効用らしきことの記載が一切ない。一抹の不安を抱きながらも、書いてある通りに煮出してみる。口に含んだ瞬間、驚いた。予想に反する甘さ、そしてそのあと口に広がる不味さ。のどを通らないどころか、名前を聞いただけで、私は震え上がってしまう、近年まれに見る味であった。

Nちゃんには、味が気に入っているので続けて飲んでいると聞いたハズ。報告したところ、自分が飲んでいるものの方が美味しいから、と外箱を持ってきてくれたが、同じ商品であった。 何日か飲んでいるとYUSUKEは味に慣れたという。ほっとして、今日も煮出してみる私。

それにしても、ドラッグストアの健康茶コーナーは面白すぎる。ダイエット効果をうたうモノ。でも、これって烏龍茶だよなあ。目が良くなる=ブルーベリー配合、肝臓に良い=しじみエキス入りっ、などなど。ほんとかよっと売り場で突っ込みを入れてるのはワタシくらいなのか。同じ内容なら高い方が効きそう、という心理の発生も理解できる。(実のところ、ワタシも数百円高い方を選んだので)

信じるものは救われるというか、信じてたら騙された事にならないといいますか。害はないので、無くなるまで続けてみます。飲むのはもちろん、YUSUKEです。効果のほどは、ご来店の折、御確かめ下さい。



  2006.3.1
Text: YUKO


●体験談


以前、旅番組に出た宿の方から、画面に電話番号が映ったその瞬間から、予約の電話が鳴りっぱなしだった、と聞いた事があった。

2月にHBC北海道放送で取材を受けたが、うちはまさかそこまで、と思っていた。
大好きパンの会代表 森まゆみさんに、Goshのパンを3点紹介していただいたのである。

YUSUKEはかなり緊張したらしい。カメラ無しでの質問には答えられたのに、
まわると同時に自分が何を言っているのかわからなくなった、と。

そして、放映の日。YUSUKEは驚いていた。ちゃんと喋っている。編集にさぞ苦労されたのではなかろうか。この場をお借りして御礼申し上げます。

番組終了と共にほんとに電話が鳴り出したのだった。 TVの影響のすごさを実感させていただきました。ありがとうございました。

東京のお客様から梅の便りも届くこの季節。美瑛はまだ雪景色ですが、風や日射しに春を感じます。

3月でGoshも4歳です。



  2006.2.1
Text: YUKO


●歴史的遺産候補


店にいらしたお客様から、年賀ハガキで2等が当たった、と聞いた。デジカメを選んだとのこと。いいなあ。そういえば今年はまだ見ていなかった、と当選番号と比較してみたが、発見したのは切手シート1枚分のみ。そう、ここで運を使い果たすなってことなんだよなあ、と気持ちを前向きに対処する。

私が小学生の頃、父に送られた年賀状が1等に当選したことがあった。今のように、いくつかある商品の中から選んだのかは定かではないが、とにかく、家には「電子レンジ」がやってきた。明治生まれの祖母が台所を取り仕切っていた当時、冷蔵庫と炊飯器、ガス台の他にいわゆる「便利なもの」は何一つなかった。蒸し器や無水鍋などを駆使していた祖母は、必要性を全く感じていなかったはずだ。

誰が欲しいといったのだろう、と考えたところ、実は私かもしれない、と思いあたった。

お菓子作りに凝っていたあの頃。ガスオーブンを買ってもらったのだが、壊れて使えないでいた。「電子レンジ」にはもちろん、オーブン機能がついている。ステキすぎる!これさえあれば、なんでも作れる!短絡さは今にはじまったことではなかった。

「電子レンジ」の最初のしごとは、ごはん一膳分の温め、であった。牛乳を温めたり、ちょっと冷めたものを温めなおしたりとむやみやたらに、あるんだから使わないとと使っていた。それまで、外で焼いていた秋刀魚なんかも、グリル機能で焼いたりした。

もちろん、お菓子も作った。天板が丸いのが気になったが、使ううちにそれも慣れていった。

時が経ち、私は家を出て一人暮らしを始めた。母もしごとをやめて、家に入った。
祖父が亡くなり、そのうち、父が定年を迎え、兄が結婚し、家には祖母と父、母の3人だけになった。

家族のいろんな歴史を台所で静かに見つめてきた「電子レンジ」未だに「現役」である。



  2006.12.28
Text: YUKO


●振り返れば


眼鏡にお世話になり始めたのは、中学1年からである。勉強のしすぎというよりは、暗いところで本を読んだり、ヘンな姿勢でテレビをみたせいだろう。いちばんの理由は遺伝だと思うが。YUSUKEの目はいまだ矯正いらず。はずしてしまうと0.04の視力しかない私にとって、うらやましい限りだ。

一方、矯正して見えるようになっても、見えないことも多い。 配慮を欠いた行動をしてしまったり、先々進めようとするあまり、手元がおろそかになるのがそれだ。

ティック・ナット・ハンという人が書いた、「マインドフルの奇跡」という本がある。 数年前、勧められて読んだことがあり、内容は理解したつもりでいた。先日、電車の中で読むのに適当な本を探したが、見当たらなかったので、どれでもいいやと再び手にすることになった。

読み返してみると、実に新鮮に感じた。今の自分に必要なことだったから、これを選んだのは必然だったのだと思ったほどだ。

目の前にあるものを、しっかり見よう。

「ことば」が必要なとき、行動していない自分のおしりをたたいていることが多い私である。まず行動、の2006年にしようと振り返る年の瀬である。



  2005.12.1
Text: YUKO


●田舎暮らし


先日、友人が取材を受けたついでに、私達も取材を受けた。『田舎暮らしの本』この響きに憧れる人が、一度は目にする本である。「移住されて10年以上ですが、以前と変わったことはありますか? 移住を希望される方に、現実的な点もひとつ・・」そう、質問されたが、二人とも顔を見合わせたまま。しばし考え込んでいたが、気の利いた言葉は出てこない。

店を訪ねてくれる方の中には、美瑛に住みたくて土地を探している方がいらしたり、田舎暮らしをしたいと漠然とした希望をお持ちの方もいらっしゃる。その方々にも、「どうですか?」と聞かれることが多い。「大変なことも多いですが、楽しんでますよ」なんてことはとても言えない。そりゃいろいろありまっせ、生活しているわけですから。大変さやわずらわしさは、田舎でも都会でも同じくらいの割合ではなかろうか?

私は本州で生活していたときに、「ここが美瑛の地であったら、どんなことでも楽しめるのに」と思っていた。それは、半分はその通りで、半分はその通りではなかったと今になって思う。憧れの地に暮らしても、50%しか思えなかった自分がいたのだと。

全ては、自分の心持ち次第。

冬が長くて大変だとか、田舎暮らしは若いうちだとか、一般的な考えに埋もれてしまいそうだったが、やってみたくて、やれる機会があるのなら、やらないと気がすまないだろう。誰が何と言っても。ただ、気をつけたいのは、やってしまって終りではなく、永きに渡って続いていく、ということか。

考えずに行動してしまう人にそんなこと言われても、説得力に欠けるってもんだが。

本は1月初めに発売らしい。ちなみに、取材の主役は「藤井工務店」の藤井くんである。

質問の答えは、あまり覚えていないので、掲載記事をご覧下さい。カットされてる可能性大ですが。



  2005.10.25
Text: YUKO


●ブログ風


10月21日(金)くもり
ゆきむしの大乱舞がありました。10月に入って何回か見かけてはいましたが。
1,2匹だと風情があります。あんなに多いのは全く初めての経験です。
「大雪だね、こりゃ」思いました。

10月23日(日)くもり
近頃、朝晩とストーブをつけてしまいます。灯油高いんだけどなあ。
北海道にいると、寒さにはストーブの目盛りで対応してしまいます。
本州にいるときは、一枚多く着たり、衣類で調整していたのに。
今日はくもり空。冬の空のいろです。
風が吹いて木々を揺らしています。黄色くなった葉が舞い落ちたり、
飛ばされまいと必死でしがみついたりしています。
冬の足音は聞こえませんでしたが、気配を感じました。

10月25日(火)
とうとう雪です。長い冬がはじまりを告げています。
初雪のなか、ドリップ講習会に参加していただいたみなさん、
ありがとうございました。
冬が楽しくなるように、イベントも考えていきますね。



  2005.9.27
Text: YUKO


●かかりのしごと


役割があるとすれば、YUSUKEは草花の担当である。

その昔、「お金がたくさんあったら何の道楽をしたいか?」の質問に、「花屋で好きな花を好きなだけ買いたい」と答えたYUSUKE。庭の構想から店内に飾る花まで、目と気を配っている。

私の場合は? YUSUKE曰く「文句つけ係」だそうで・・。現場監督っていってほしいなあ。



  2005.9.1
Text: YUKO


●今年もありがとう


夏になると、店を訪れてくださるお客様が増える。冬場には想像もつかない人口密度である。(その逆もまた然りだが)

そんな訳で、毎年、夏期のホールスタッフを募集している。今年はみごとに本州のひとばかり集まった。出身は本州だが、皆、北海道で暮らす人達である。住み込みは不可なので、当たり前と言えなくもない。特に今年は、年齢層が高く?偏り、男性スタッフもいたので、「だんなさん替わったの?」と真面目にきかれたり、「一体誰と誰がオーナー夫妻か分からない」と言われて、どんな組み合せを考えられていたんだろうとおもしろがることが多かった。

一緒にしごとをしていく中で、だんだんに個性が発揮されていく様は、毎年の楽しみでもあり刺激になる。皆、自分なりの目標を見据えつつ、「Gosh」の珈琲とパン、メニューに対する姿勢やサービスを理解してくれようとしている。

店を訪れたお客様から、お礼のメールをいただくことがある。美味しかったという感想に混じり、スタッフの応対が良かったと言っていただくことも少なくない。お客様に、本当に気持ちのよい時間をすごしていただけたんだなあとこちらも嬉しくなる。と同時に、そんな空間を一緒につくってくれているスタッフひとりひとりの
心遣いに感謝したい。


  2005.7.1
Text: YUKO


●ヨメ VS ?


先日ある方より、私がYUSUKEのことを「相方」というのは抵抗を感じるというご意見をいただいた。漫才のそれを指しているのだが、侮蔑の意味があるという。

実は、YUSUKEを指す呼び方については、長年?考えあぐねている事柄であった。「うちのだんな」「主人」「亭主」「夫」「(苗字)」「彼」「パパ」どれもこれもピンとくるものがない。つれあいを紹介するときに、どんな言葉を使えばいいのか。今のところ、場面や相手によって使い分けてはいるが、「主人が・・」なんて、本当は柄じゃないし(あくまで私サイドの)そんな言葉を発している自分が恥ずかしくなってしまう。

そんなことを話題にしていたら、同じ悩み?をYUSUKEももっていたらしい。
「うちのカミさん」と言ったりしていたようだが、それも抵抗がある様子。そうだよなあ、「カミ」って「上」に通じるし。ましてや「奥さん」なんていって、なるほどとうなずける容姿や奥ゆかしさは、あいにく持ち合わせていないし。そういえば、「ダンナ」だって「主人」だって、女が下で男は上である、といった上下関係を表しているようで、きっとそこがひっかかるポイントなのだろう。

対等さと、なおかつ、相手への敬意も含んでいるような表現はないものだろうか。と考えていたときに、「相方」と出会ったのであった。

同じ志をもった同志、そんなことを感じて使っていたのだったが。

そんな訳で、私は相変わらず模索の旅へ。YUSUKEは、敬愛するダウンタウンの松本が言っていたというだけで、「ヨメ」にすると宣言していた。まだ、聞いたことがないけれど。



  2005.4.28
Text: YUKO


●くるまのはなし


「本州から移住する人は、ジムニーにばかり乗りたがる」私の説ではない。自動車修理工場のおじさんの説である。それを聞いたのは2年ほど前。昭和59年式の2ストジムニーを修理に出したときのこと。

故障の多い車より、新しく性能の良いものに長く乗ればいいものを、猫も杓子もこぞって古いジムニーに乗っているから、らしい。私としては、軽で四駆で車高が高いジムニーが、雪国生活にも維持費にもありがたいという理由だけなのだが。修理が少ないよう新しい車を長く乗りたい気持ちは私だって持っている。しかしながら、なにゆえ古さにこだわらざるをえないのか。それは、今のデザインが丸すぎて好きになれないからである。新車を選ぼうとしても、欲しいかたちの車がないのだ。決して負け惜しみではない。

と、そんなことを言い切りながらも、Be-1に憧れたが探せなかったので1台目にパオを所有した私。好みは変わるものだ。ジムニーは美瑛に住み着いた12年程前に知り合いの方から譲り受けた。翌年出会ったYUSUKEもジムニーに乗っていた。その後、知り合う移住した人々も誰かしらジムニーに乗っていた。まさに、北海道ビギナーズ。

なんだかんだ理由をつけても、実はおじさん説は正しいのではないかと思い始めた。洋服のセンスを眺めるのと一緒で、誰がどんな車を選び乗っているかをみるのは実に楽しい。私的にかわいいとかかっこいい車に乗っている人に対しては、見る目が変わる。全く生活とか考えなかったら、どんな車がいい?とYUSUKEとよく話している。歴代の所有車ランキング第1位は、マツダプロシードキングキャブと幌ジムニーであった。プロシードの荷台にはまきを積み、幌ジムニーで街中へ通勤していたあの頃。セカンドカーの位置だった車を生活に使ってしまっていた贅沢さと無知に今頃気が付いた。

ファッションなのか実用性なのか、どちらもかねそろえられるように今日もしご
とに励みます。


  2005.4.1
Text: YUKO


●言葉


近頃、日本語の乱れを指摘する文章や本をよく目にする。 私も丁寧な言葉のつもりで、ヘンな日本語を使ってしまっている1人だから 気になるのだろう。

例えば、お客様に珈琲を運んだとき「こちらはGoshブレンドになります」 なるの? なっちゃうの?  気をつけようと心がけても、レジでは「お会計¥1050になります」  まただ。 ところが、言わないようにと思えば思うほど、うまく言葉が出てこない。 考えれば考えるほど舌がもつれてしまう。 そんなある日、気が付いた。 「です」と言い切ればいいことに。 いいかげんな丁寧語よりよっぽどすっきりする。

ことばは、地方や文化に時代、それに性格や感情まで表すからおもしろい。 しかも言い方ひとつで相手を喜ばせることだって怒らすことだってできる。

私は宮城県の出身で、相方は生まれも育ちも大阪。 初めはホントに外国人と一緒になったようだった。 おおよそのことばは理解できたが、微妙なニュアンスを表現することばを 使われるとお手上げで、質問しても、相方も説明しにくそうでその後あまり使わ なくなったことも。 会話が「笑わす」ことに重点を置いているということがわからなかった初めのこ ろ、あまりのしつこさに涙したこともあった。 しかし、相方はどうして笑わないのだろうと「笑う」まで一生懸命話していたというのだ。

一方、宮城の実家で家族と話す私の会話がさっぱりわからないといわれたことが ある。そんなにひどくないよ、失礼な。 先日、テレビで放映された「壬生義士伝」をみたときのこと。 彼は中井貴一演ずる吉岡貫一郎の岩手なまりのセリフがわからなかったので残念 がっていた。後日、DVDをレンタルして日本語字幕でみたそうだ。 テレビを観ながら号泣していた私の隣にいたのはやはり外国人であったのだ。

北海道に住んで10年以上になるが、相変わらず相方は関西弁で話す。 ときどき、ことばや笑いのレベルを確認するため、リハビリと称して大阪に電話 している。私を相手にしてもレベルが下がる一方だそうだ。

美瑛は移住した人が多い町だ。 大阪、奈良、京都、東京、広島、いろんな都道府県出身者がいる。 その土地のことばは美しいと思う。 もちろん、北海道ののんびりとしたことばも。

日本語、そしてことばはむずかしいし、美しく正しい使い方も あるとは思うけれど、その時々で、心のこもった使い方ができれば 気持ちは伝わると思っている。



  2005.3.5
Text: YUKO

●流行


おそらく毎年のことだったのだろう。 この時期がインフルエンザの季節だということは。 今まで何となく免れてきたので、予防接種もしたことがなかった。

しかし、それは突然やってきた。

気のせいだ、ココロを強く持て!と腹筋運動などしてみても、 ああ、それは間違いではないと思い知らされることになる。 体が全くいうことをきかないのだ。 熱のせいで、食べる気もおきない。 水分を取って、湿度を高く、と働かない頭で考えては実行してみる。 猫の手ならぬ子供の手をも借りる。 回復に1週間かかった。

スタッフ、相方、私、次々と倒れた。 しかしながら、今回の風邪でインフルエンザと診断されたのは、 スタッフだけ。 残る2人はA.B共に陰性であった。 こんなに突然熱が出たのに?と不思議だったが、 ウイルスの量によるとのことなので、 「低ウイルスによるインフルエンザ」と勝手な診断を下したのであった。

流行の季節に、流行の風邪をひいてみたが、 あらためて、みなさんこんなに大変だったのねと思った次第。 これからは、シャコウジレイではなく「風邪には気をつけて」と書こう。



  2005.2.1
Text: YUKO

●田舎生活ニオケル運動不足二ツイテ


「広々と緑が多いところでのびのび生活されていることでしょう」と うらやましがられることが多い。 空気も水も当たり前に美味しい生活は、都会の人には魅力的であろう。 こんなすばらしい環境にあって、私達は悲しきかな運動不足である。

なにせ、車が足である。 歩いて買い物に行ったり、一駅歩いたりしたいところだが、 その距離が10Kmともなると、仕事をしている身には時間が惜しくなる。 そんな訳で、狭い家とそれに続く仕事場を行ったり来たりするだけの生活。 あとは、すべて車で歩いている。

基礎代謝も落ちてくるお年頃。 これじゃいけないよね、と言い合う2人の手元には、 最近はまっている焼酎のお湯割があったりなかったり。 お粗末ないっけん・・。


  2004.12.25
Text: YUKO


●冬から春へ


美馬牛に住んで3年目になる。 美瑛に移り住んだのが10年前なので、ここに辿り着くまで何度か引越しをした。

初めに借りることができた家。 人よりねずみの数が多かった。 お風呂もなかった。 除雪の距離が長かった。 寒くて家の中でテントを張った。 次に借りた家。 お風呂があった。しかも、マキ風呂。 窓からは放牧している牛の姿が見えた。 一番近いお隣へは車で出かけた。 1月1日に部落の新年会があった。

美馬牛の住所には番地がない。 よく「美馬牛市街地に続く番地を」といわれたりもするが、 「ありません」と答えるしかない。 しかし、この田舎ぐあいがちょうどいい。 本数が少ないけれど、富良野線の駅がある。 郵便局も、商店もある。 保育所も、小学校・中学校へも歩いていける。

美瑛の中でも私達には未知の場所であった美馬牛が、 今や、故郷になりつつある。。



  2004.11.1
Text: YUSUKE

●ドリップ講習会にて


秋晴れの日。遠くは占冠から、また富良野や旭川など各地から参加いただき、開催しました。僕の説明、実演の後、お一人づつ珈琲を淹れることに。ポットを持つ手が震えるほど、豆が膨らまないことを悔しがるほど、皆さん緊張しながらも真剣に取り組んでいらっしゃいました。

丁寧に淹れる1杯。かかる時間はほんの少しです。大切な人のために、自分のために丁寧に淹れていただいたら、美味しいし嬉しいと思います。




  2004.2.1
Text: YUKO

●田舎生活ニオケル運動不足二ツイテ


「広々と緑が多いところでのびのび生活されていることでしょう」と うらやましがられることが多い。 空気も水も当たり前に美味しい生活は、都会の人には魅力的であろう。 こんなすばらしい環境にあって、私達は悲しきかな運動不足である。

なにせ、車が足である。 歩いて買い物に行ったり、一駅歩いたりしたいところだが、 その距離が10Kmともなると、仕事をしている身には時間が惜しくなる。 そんな訳で、狭い家とそれに続く仕事場を行ったり来たりするだけの生活。 あとは、すべて車で歩いている。

基礎代謝も落ちてくるお年頃。 これじゃいけないよね、と言い合う2人の手元には、 最近はまっている焼酎のお湯割があったりなかったり。 お粗末ないっけん・・。



  2004.12.25
Text: YUKO


●冬から春へ


美馬牛に住んで3年目になる。 美瑛に移り住んだのが10年前なので、ここに辿り着くまで何度か引越しをした。

初めに借りることができた家。 人よりねずみの数が多かった。 お風呂もなかった。 除雪の距離が長かった。 寒くて家の中でテントを張った。 次に借りた家。 お風呂があった。しかも、マキ風呂。 窓からは放牧している牛の姿が見えた。 一番近いお隣へは車で出かけた。 1月1日に部落の新年会があった。

美馬牛の住所には番地がない。 よく「美馬牛市街地に続く番地を」といわれたりもするが、 「ありません」と答えるしかない。 しかし、この田舎ぐあいがちょうどいい。 本数が少ないけれど、富良野線の駅がある。 郵便局も、商店もある。 保育所も、小学校・中学校へも歩いていける。

美瑛の中でも私達には未知の場所であった美馬牛が、 今や、故郷になりつつある。。



  2004.11.1
Text: YUSUKE

●ドリップ講習会にて


秋晴れの日。遠くは占冠から、また富良野や旭川など各地から参加いただき、開催しました。僕の説明、実演の後、お一人づつ珈琲を淹れることに。ポットを持つ手が震えるほど、豆が膨らまないことを悔しがるほど、皆さん緊張しながらも真剣に取り組んでいらっしゃいました。

丁寧に淹れる1杯。かかる時間はほんの少しです。大切な人のために、自分のために丁寧に淹れていただいたら、美味しいし嬉しいと思います。



  2004.10.4
Text: YUKO


●すきなコト


YUSUKEのそれは、釣りらしい。

苦手な早起きだって、その日ばかりはあっさり克服してしまう。ドライブ中でも、川があれば景色としてではなく、釣れる場所であるかどうかを見定めている顔をする。もっぱら、渓流のえさ釣りである。しかし、ヤマメはまだ釣ったことがないらしく、5歳の息子に「釣り堀で、ウインナーで釣った」と自慢されてそんなの釣ったっていえないと声を荒げていた。 とはいえ、今年行ったのは1回。ニジマスをたくさんと満面の笑みで帰宅した。春のことである。

それじゃぁと、店の夏休みに家族やスタッフと船を借りきって、と初の沖釣り計画をたてた。忙しい夏を乗り切るココロの支えでもあった。しかし、当日はものすごい強風で、漁師さんにキャンセルされてしまったのだった。後に残ったのは、酔い止めの薬の、これまたすごい効き目だけ。そして迎えた秋。鮭の季節。定休日前夜から網走まで走るらしい。期待せずに待ってます、といいながら、サカナ売り場で鮭を横目に素通りしたのは、食べることがすきな私でありました。



  2004.7.8
Text: YUKO

●小さな庭


先日、念願の庭がほぼ完成した。定休日の前日、トラック2台分の土を運んでもらい自力で整地。夕方から降りだした雨は容赦なく降り注ぐ。整地代をケチった代償は、重かった。何とか休みのうちに形になったものの、ロボットのような動きしか出来ない筋肉痛に見舞われた。なにせ相方の念願だった庭である。 実家のベランダではいろんな花や野菜を育てたらしい。水やりも忘れる私にはわからない世界だったけれど、土にまみれ、ペンキだらけになりながらやっとここは自分達の庭なんだと実感できた。



  2004.6.2
Text: YUKO
●おススメの風景


「花の時期にはまだ早いよね」とお客様に尋ねられて、ちょっと驚き、ちょっと納得した。北海道=花=ラベンダー=夏という図式はかなり浸透しているのだろう。しかし、もし私がこの地を旅行するならば、GW明けか6月頃を選ぶに違いない。
あどけなさの残るうす緑色の木々、桜、カタクリ、エゾエンゴサク、こぶし、おこされた畑、小鳥のさえずり、雪の残る大雪の山並み。北国の春から初夏にかけての美しさは、何年住んでいても心が癒される。

「美瑛に来たら、どこをみたらいいですか?」と尋ねられたりもするが、「どうぞ、窓の外の風景をご覧ください」と返事している。



  2004.5.1
Text: YUKO

●取材の恩恵

4月に入って立て続けに取材の申し込みがあった。「AIR DO機内誌」「JR北海道の車内誌」「帯広クナウマガジン スロー」すでに2件の取材は終了。何回受けても、インタビューの場面では緊張してしまう。カメラなんて向けられた日には、笑えるほどがちがちなのがわかる。

でも、どうして美瑛なのか?とか、この店のコンセプトは?という質問に答えていくうちに、漠然としていた想いが整理されてきたように思う。いちばん初めは、旅。ここを訪れたかったから。そして、暮し。ここに住みたかったから。そして、出会い。2人の、そしてみんなとの。いろんな出会いが、私達の今を支えてくれていることを忘れないように。


  2004.4.1
Text: YUKO

●Goshも2歳


「何年に出来たのですか?」と聞かれて、「今年OPENしたばかりです!」と初々しく(?)答えていたあの頃。実は少々言い訳も混じっていた。当初思い描いていた理想の店の姿。しかし、目の前に突きつけられる現実。それこそ試行錯誤の日々。

今はどうだろう。つい先日、同様の質問を受けた私の答えは、「えーと、2002?2001?そのあたりです」実に恥ずかしい。「北海道にいると忘れちゃいますよね」と見かねてフォローしてくださった方がいた。私たちが美瑛に住んで10年。この年月を「早いもので」と言えるけれど、Goshの2年をそういうには短すぎる気もする。

いよいよ3年目。



  2003.12.6
Text: YUSUKE

●ドリップ講習会

家でも美味しく珈琲を淹れてほしい。そんな僕の願いとお客様からの要望もあり、ドリップ講習会開催の運びとなる。10月、11月とこれまでに2回。募集と同時に (大袈裟?)予定の定員数に達する予約が入った。興味ある人はこんなにいたんだ!と嬉しい驚き。デモンストレーションの後、一人ずつ実践。注意深く、珈琲の中心の泡にお湯を注いでいく。わからない点などたくさんの質問を受けながら、「何度もおとして慣れて下さい、そして何より、楽しんで下さい」と願うように繰り返した僕でした。講習会後、すぐにメールが届いた。自分の淹れる珈琲が美味しいので感激したと。「珈琲は、心。贅沢な一杯なんですね。20年も飲んでいて…今日わかりました。「こころ」です。感動しました。」ありがとうございます、Iさん。感動したのは僕のほうです。


  2003.9.15
Text: YUSUKE
●カルモシモサカ

その珈琲豆と出会ったのは、今から3〜4年前でした。 ブラジルの農場から送られてくるその豆は、シルバースキンをかぶった 見栄えのしない豆でした。 いつものように水洗いし、天日干しした後ハンドピックをするのですが、 欠点豆の少なさに驚きました。 そして、調べれば調べるほど、その豆をつくる下坂氏の情熱が伝わってきました。 ブラジルから氏の自筆の手紙が届いた時も、驚くと同時に珈琲豆への愛情や思い入れを感じたのでした。 Goshのランチメニューで使う野菜、パンに使う赤麦、卵などの生産者の方にもお会いする機会が多いです。その人柄を理解、信頼し、その分身のような作物を譲り受け、僕も負けないように必要な手間をかけて、真面目に物づくりに励もう!と気持ちを新 たに思う今日この頃です。


  2002.8.3
Text: YUSUKE
●珈琲との出会い〜これから

自家焙煎の珈琲に出会ったのは7年前のこと。好きな美瑛に住んでからのことです。縁あって、珈琲店の店長をまかされ、カウンターに立ち、珈琲を淹れる毎日。それまで飲んでいた珈琲とは全く違う香り、コク、苦味、甘味。生豆からの焙煎を間近で見て、自分でやってみたいという思いを強くしたのでした。

独立を目指し、手網焙煎からスタート。その後、焙煎機を購入。しかし、思ったように豆は焼きあがりません。煎っては捨てる日々が続きました。(このあたりの話しは7月30日発売の「夢田舎vol.27」に載っています。)試行錯誤の1年後、やっと自分で納得のいく焙煎が出来るようになったのです。

わかったことは、豆は焙煎すれば珈琲のようなものにはなっても、美味しい珈琲にはなれないということ。良い生豆を選び、米のように水で洗い、乾燥させ、悪い豆を取り除き、その豆が持つ力を見極め、美味しさの頂点に煎りあげる。そんな技術があってこそ美味なる珈琲ができるのだと。世界には、まだ僕が知らない珈琲豆もたくさんあります。日々情報を集めて、いろんな豆を皆さんに紹介していくつもりです。


  2002.7.30
Text: YUSUKE
●店名の由来

店名の「Gosh」は宮沢賢治さんの「セロ弾きのゴーシュ」から引用しました。 物語の主人公のように、色々な人に教えられ、導かれながら、人々の心を震えさせる演奏ができるようになる、そんなお店にしたいと思っています。